Irish coffee

Sunday, February 18, 2007

英語を学ぶこと

ここにたどり着いたみなさんは、どういう動機で英語を学びたいと思っていますか。
さまざまな動機があると思いますが、英語を通していろいろな人たちとコミュニケーション
をするという目的があるなら、英語の学び方も少し考えてみませんか。

今までネイティブの講師に習っていたけど、言ってることがよくわからなかった。
日本人の講師に習ったほうが、わからないときに日本語で聞けていい。
生徒さんから、こんな声をよく聞きます。
コミュニケーションを取るということは、とても大切です。わからない言葉を学んでいく上で、わからないことを確認しなかったら、うやむやになってしまいます。ネイティブの先生をさえぎってでも質問する、 という度胸があるといいですが、そこまで強く言えずに流されてしまう人も多いみたい。

そんな方は、日本人の講師、または英語がネイティブでない講師から学ぶことをお勧めします。
英語を母国語とせず、文法を説明できるからです。ビギナーの人が文法まで英語で理解するのは、 かなりハードです。最初からハードルをあげず、日本語もわかる先生、英語でわかりやすく話してくれる先生の方があっていると思います。

いろんな人とコミュニケーションすることが目的なら、アメリカ英語やイギリス英語にこだわるのも考えものです。世界各国の人々が英語を使うのですから、外国語のなまりのある英語に慣れることも必要だし、文法的にもより簡単でみんなが共有できる表現を使うようにした方がいいです。英語の堪能なアジアからの外国人、海外経験豊富な日本人は、ネイティブ講師に負けない資質を持っています。

これまで、日本の英語教育は、アメリカやイギリスに偏りすぎていました。欧米に追いつけ追い越せという脱亜入欧の考え方に基づいて、日本人は知らず知らず欧米中心主義を身につけてしまっています。日本はアジアの一国です。外国から日本に来ている人にもアジア人が多いです。身近にいる人たちとコミュニケーションして、多様性のある英語を身につけるのがこれからの国際人の姿だと思います。そんな思いを共有できる方、是非、一緒に英語を学びましょう。

Thursday, February 15, 2007

ほめる先生

アイルランドの現地校へ行っていた日本人の話。学校で先生にほめられることが多いという。いいなあって感じた。日本では、先生にほめられたという思い出があまりない子が多いみたい。がんばって当たり前みたいな感じで、私自身もあまり自分に自信が持てなかった。ほめられると気分がいい。自分にもできるんだと思えて、もうちょっとやってみようかなと思える。アイルランドに来て、日本ではほめられたことのない料理も結構人気だったり、素人バンドの演奏もダイレクトに喜んでいる反応を感じて(うまい下手にこだわってないんだと思う)ちょっといい気になれる。

アイルランドでちょっと自信回復して、自分のやり方でいいんだって思えることも増えて、その分、日本の子どもたちにももっと自信を持ってもらえたらなあと思う。日本では、ここまでできて当然という基準が高すぎるように思う。社会全体が完璧主義なのかなあ。それと、寛容さ。できる人でも自分と同じことを他人に求めたりしない。私が日本に帰ってきて一番に感じたのは、この寛容のなさだった。自分が苦労してここまでやったんだから、と他人にも同じように求めるのは、自分がそれだけ傷ついているからなのかもしれない。そのことは理解できるけど、できないことを求められるのはつらい。私はそんな風になりたくないという思いを持って日々生きている。

そういえば、日本の先生にもほめられたのを思い出した。
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」小学校の先生にいただいた言葉。
これは、結構気に入っている。

Tuesday, February 13, 2007

春先の落ち込み

アイルランドと大阪の日照時間は随分違います。特に冬場はどんよりした日が続くため、晴れの日の多い地域で育った私には、大きく影響しました。日本でも「冬季うつ病」という言葉がありますが、一年目の春先に、気分の落ち込みが始まります。毎年同じ時期になったら、わけもなくやる気が落ち、そんな自分の状態が理解できず、「なぜ、なぜ」と人に聞いて回るけどよくわからない。

今から考えると、異なる文化習慣、気候、ホームシックなどいろんな要因があったと思いますが、お日様が少ないことは大きかった。でも、思い返してみると、あそこで常に走っている状態で暮らしていく上で、からだがブレーキ反応していたのかもしれないと思います。アイルランドに生まれ育った人でも、感受性の豊かな人は、鬱になったりこもりきりになったりする人もいると聞きました。私だけじゃなかったんだなとちょっとほっとしました。 イギリス人の先生にIt's a coping strategy. (対処法)と言われたことが心に残っています。

「木の芽時」ともいいますが、どこにいても、春先は、体にためこんだ悪いものが出てくる時期。気温や日射量の変化に合わせて、心もからだも、アップダウンしがち。そういう時期なんだとあまり気にせずやりすごすのがいいんだなあと、最近になって感じるようになりました。

Friday, February 09, 2007

アイルランドの女性

アイルランドの女性というと、誰を思い浮かべますか?
カトリックの国だからマリア様?
音楽好きの人なら、エンヤとか、メアリー・ブラックとか。
今年はケルティック・ウーマンが流行ってるんだっけ?

私が滞在した1995年から99年にかけては、大統領も女性でした。
メアリー・ロビンソンという女性をご存知ですか。国連の人権高等弁務官としても 活躍したアイルランドの大統領。自身がプロテスタントでカトリックの夫を持つ。
それまで、男性ばかりだった大統領のポストに、前職のスキャンダルがもとで 運良く彼女が就いたのですが、彼女の活躍で、「後任も大統領は女性でなくては」という 世論まで高まったのです。うそのようなほんとの話。

彼女が大統領だった90年代は、それまでの伝統的な価値観が根強いアイルランドから、 多様性を認める新しい価値観に大きく変化していった時代だと思います。
弁護士や議員の経験を持つ彼女は、アイルランド社会にマイノリティの視点を取り入れるべく、
さまざまな社会的マイノリティのグループを大統領公邸に招き、社会問題として取り上げることを積極的に促進していきました。

伝統的なマリア様のイメージや、強くたくましい大地のようなアイルランド女性に加えて、 新しいタイプの、オープンで、誰とでも(反対の立場の人でも)対話を進めていくメアリー・ロビンソンのような女性が 私のアイルランド女性のイメージです。そんなロールモデルがあったことを幸せに思います。

もちろん、日本にもたくましい女性はたくさんいますよね。
でも、男性中心社会で疲れている女性も多いかも・・・